生命保険の契約者を変えるときって税金かかるの?
こんな疑問にお答えします。
この記事では生命保険の契約者を変更したときの課税について解説しています。
契約者が生存中に変更する場合や亡くなって変更する場合で、かかる税金が異なりますので、それぞれの場合についてご紹介していきます。
税金で損をしたくないという人は最後までお読みいただきたいと思います。
目次
契約者が生きているうちに変更するとき
まず、契約者(=保険料負担者)が生きているうちに変更する場合をご紹介します。
契約者が生存中に変更した場合、変更した時点では課税されません。
保険金を受け取るときに、保険料負担者と受取人との関係によって税金の種類が変わります。
保険金を受け取るときの税金の種類については、こちらをご覧ください。
具体的には、変更前後の契約者の保険料負担割合に応じて、贈与税になる部分と一時所得になる部分を案分計算します。
例えば、以下のような養老保険で考えてみましょう。
(このご時世、800万円かけて1200万円受け取れるような商品は存在しません。わかりやすくするために用いた例ですので、気にしないでください)
変更前 | 変更後 | 満期保険金 | |
関係者 | 父 | 子 | 子 |
保険料 | 300万円 | 500万円 | 1200万円 |
まず、 契約者(=保険料負担者 )を父から子に変更したときは、税金はかかりません。
次に、満期保険金1200万円を受け取るときの税金を見ていきます。贈与税になる部分と一時所得になる部分を案分計算するとは、以下のような式をいいます。
贈与税になる部分
1200万円×300万円/800万円=450万円・・・課税価格
(450万円ー110万円)×15%-10万円=41万円・・・贈与税額
※子は20歳以上を想定しています。
一時所得になる部分
1200万円×500万円/800万円=750万円
(750万円ー500万円ー50万円)×1/2=100万円・・・一時所得の課税対象
契約者(=保険料負担者)が亡くなったとき
契約者(=保険料負担者)が亡くなったときは、保険契約の権利が相続されたものとされ、解約返戻金相当額が相続税の対象になります。
保険金を受け取るときは、変更前の契約者が負担していた保険料も変更後の契約者が負担していたものとみなして、課税関係を考えます。
保険料負担者(≠契約者)が亡くなったとき
保険料負担者が亡くなったときは、保険契約の権利がみなし相続財産として、解約返戻金相当額が相続税の対象になります 。
民法上の相続財産ではなく、税法上の「みなし相続財産」であることに注目してください。民法上の相続財産ではありませんので遺産分割の対象外というということです。あくまで税法上での取り扱いですので区別しておきましょう。
保険金を受け取るときは、亡くなった保険料負担者が負担していた保険料は契約者が負担していたものとして課税関係を考えます。
契約者(≠保険料負担者)が亡くなったとき
契約者(≠保険料負担者)が亡くなったときは、課税されません。
保険会社から税務署に送られる「調書」
契約者を変更すると、受け取るときに税金の種類も変わるって話だけど、その情報なんて税務署は分からないでしょ?
違うんです。
契約者が変更されたときに「調書」というものが保険会社から税務署に提出されますので、税務署は契約者が変更されたという情報をしりえるのです。
調書は保険金を支払ったときにだけ提出される(一定の要件があります)と思っていませんか?
実は平成30年1月1日から、契約者が変更されたときにも調書を提出することが義務付けられました。税収が落ち込んでいる昨今、税務署は税金を取りたいわけすので、このような改正がされたのですね。
まとめ
さいごに生命保険の契約者を変更するときの、課税関係をまとめました。
ご自身が加入されている契約で契約者を変更する予定があるときは、税金がかかる場合があることを覚えておいてくださいね。
生存中 | 契約者(=保険料負担者)の死亡 | 契約者(≠保険料負担者)の死亡 | 保険料負担者(≠契約者)の死亡 |
課税なし | 相続税 | 課税なし | 相続税 (みなし相続財産) |
以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。
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