
県民共済に入ろうか迷っている・・・
掛金が安いから、どんなデメリットがあるか知りたい。
こんな疑問にお応えします。
- 県民共済とは
- 県民共済の保障内容3つと他社より劣る点
- 県民共済のデメリット
- 県民共済の注意点2つ

僕は、保険関係に勤務しており、生命保険の支払実務を4年間経験しています。
県民共済は、あなたの家のポストにも一度は入ったことのある「青い封筒」の保険です。
中の紙は細かい字がたくさん書いてあって読む気になりませんよね。
そこで、この記事では、あなたが損しないようにデメリットを中心に紹介しています。
この記事を読めば、あなたにとって県民共済いるか・いらないか、さくっと判断できると思います。
それではいきましょう。

目次
県民共済とは

県民共済の事業は、全国生協連が各都道府県の県民共済に業務委託をして運営しています。
- 管轄省庁:厚生労働省
- 根拠法:消費生活協同組合法(生協法)
- 発祥:昭和48年埼玉県

県民共済の種類
県民共済は大きく分けて2つの種類があります。
- 生命共済…人が亡くなったとき、入院したとき等を保障
- 火災共済…家が火事になったとき等を保障
この記事では、生命共済を取り上げていきます。
生命共済の内容3つと他社より劣る点

生命共済は大きく分けて、4つあります。
- ①:総合共済型
- ②:入院保障型
- ③:特約コース
- (生命共済)
①:総合保障型
オーソドックスな「総合保障2型」から紹介します。
手術の保障がないので、後述の入院保障とセットで加入する人が多いようです。


通院と後遺障害は、病気が対象外です。
他社より劣るところ
他の生命保険と比較して、県民共済が劣っている点は以下のとおりです。
- 手術の保障がない
- 通院は事故のみで、病気は対象外
- 病気が場合の、死亡保障の金額が低い(最高でも4型で800万円)

病気死亡の金額が最高でも800万円だと、小さいお子さんがいる家庭には、心細いですよね。
②:入院保障型
入院保障型は、前述の総合保障にセットして加入する場合が多いです。

- 放射線は「手術」に含まれます。
- 手術は診療報酬点数に応じて金額が決まります。
入院保障は、60歳から保障金額が下がるのが気になります。
特に、手術と先進医療は半分です。
他社より劣るところ
県民共済の入院保障が、他社より劣る点は先進医療保障の低さです。
- 先進医療の最大150万円 (60歳以上は75万円)
治療費が高額になることで有名な粒子線治療の費用は約300万円
半分までしか受け取れないので、残りのもう150万円は全額自腹です。

手術や先進医療の保障を厚くしたい人は、他の生命保険会社を選びましょう。
③:特約コース
県民共済には特約が何種類か用意されています。
まとめると以下のとおりです。
長期医療特約だけ、すこし詳しくご紹介します。
入院が長期化した場合に支払われる特約で、以下のとおりです。
原因 | 支払われる期間 | 日額 |
---|---|---|
事故 | 185日目~364日目 | 6,000円 |
病気 | 125日目~244日目 | 6,000円 |
事故の場合は半年ずっと入院して初めて対象、病気は4か月ずっと入院して初めて対象になる特約です。
かなり厳しい条件と言えるのではないでしょうか?
県民共済のデメリット3つ

ここからは県民共済のデメリットを3つ紹介していきます。
- 保障が小さくなる
- 保障が85歳で切れる
- 先進医療の保障が足りない
デメリット①:保障が小さくなる
県民共済は高齢期になると、自動的に保障金額が小さくなります。
代表的なものは次の2つです。
60歳から死亡保障が小さくなる
総合保障は60歳になると、死亡と後遺障害の保障が自動的に下がります。

65歳から医療保障が小さくなる
65歳になると自動的に「熟年2型」という名前で継続されます。
保障金額は64歳までの保障のおおよそ半分に落ちます。
さらに、70歳、80歳のタイミングで保障金額は自動的に下がっていきます。
本当に必要なときに、安心できるでしょうか?
デメリット②:85歳で保障が切れる
県民共済の総合保障、医療保障とも85歳までしか保障されません。
終身保障はありませんので、お気をつけください。
デメリット③:先進医療の保障が足りない
入院保障の先進医療の上限は150万円です。
先進医療で高額になるのが、量子線治療でだいたい300万円。
半分は自腹を切ることになります。

「医療特約」を付けて、入院保障を手厚くすることもできます。
県民共済の注意点2つ

県民共済は保障面で劣るほかに、次のような注意点があります。
- 割戻金が多い
- 外回りの営業がいない
①:割戻金が多い【喜べない理由】
県民共済は割戻金が多いことで有名です。
2018年度の割戻金は1,732億円、掛金の27.5%が契約者に戻っていることになります。

割戻金は、当初「これくらい支払があるかも」と見積もった掛金が、共済金として使われなかった余剰金です。
つまり、共済金が支払われにくいとも言えるのです。

割戻金をもらうために、県民共済に加入するのは本末転倒です。
②:外回りの営業がいない
県民共済には、外回りの営業マンがいません。
人件費がかからないので、お手頃な掛金が実現できるのですね。
おまけに、勧誘も受けないし、いいことだらけです。
しかし、共済や保険は、加入したら一生OKとはいきません。結婚、出産、退職など必ず保障を見直すタイミングがあります。
そのときに、すぐ相談できる人がいないのは案外デメリットです。
実は、県民共済は、共済金を受け取るときも注意があります。
詳しくは下の記事で解説しています。
>>【県民共済】受取人まで考えておかないと困る?【具体例3つ解説】
まとめ:安いという理由だけで県民共済に入らないでください

県民共済は掛金が安いのが最大のメリットである一方、保障面で劣るデメリットがあります。
しかし、デメリットを加味しても、県民共済をおすすめするのは次の人です。
- 収入が少ない人
- 貯金がたくさんあるから、保険は少しだけでいい人
- すでに保険に入っているけど、もう少し金額を増やしたい人
県民共済をおすすめできない人は、次のとおりです。
- 一生涯の保障がほしい人
- 保障金額が減るのがイヤな人
- 先進医療の保障を大きな金額で用意したい人
県民共済以外にも保険は山ほどあります。自分に合う保険を選びたいあなたは、プロに相談することをおすすめします。

今回は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。