生命保険に加入するときに、うっかり持病を告知しなかった。これって保険はどうなるの?契約はどうなるの?教えてほしい。
こんな疑問を解決します。
本記事の内容は次のとおり。
- 告知義務とは
- 告知義務違反とは
- 保険会社が解除できないケース
- 解除される場合でも、保険金は支払われるか?
今回は、うっかり告知義務違反をしてしまったときの、対処方法を紹介していきます。
告知義務違反に気づいたときは、「すぐ契約が解除されるかもしれない」と不安になりますよね。
でも、保険の仕組みを理解していれば、解除されずに済むこともあります。
これは一般論です。場合によっては解除されることがありますので、ご注意ください。
それでは、いきましょう。
目次
告知義務とは
生命保険に加入するときは、必ず健康状態を告知します。
保険会社が設定した質問に対して答えていく、健康状態のアンケートと思ってください。
なぜ告知が必要かというと、保険会社としては、なるべく健康な人に入ってもらいたいからです。将来、支払うリスクが少ないほうが経営上、安定しますよね。
なので、健康ではない人は、加入をにお断り(謝絶といいます)されるケースがあるのです。
告知義務違反とは
告知義務違反とは、告知をしなかった、または事実でないことを告知したケースです。
告知義務違反がわかった場合、保険会社は保険契約を解除することができます。
故意または重大な過失により事実を告げなかったかまたは事実でないことを告げた場合は、(中略)保険契約(中略)を解除することができます。
日本生命 ニッセイ みらいのかたち 契約基本約款第15条1
ここでポイントが2つあります。
- 「故意」または「重大な過失」
- 解除することが「できる」
ポイント①:故意または重大な過失
- 「故意」・・・わざと
- 「重大な過失」・・・少し注意すればできたのに注意を怠ったこと
例えば、「検査を受けて医師から病名を言われて通院治療をしていたのに、ついうっかり告知しなかった」場合は「重大な過失」に当たり、告知義務違反に該当する可能性が高いです。
なお、保険金を請求をしたときに、告知義務違反が疑われる場合は、保険会社が病院に調査します。
ポイント②:解除することが「できる」
専門用語で、保険会社が保険契約を解除する権利を解除権といいます。
権利ですので、してもしなくてもよいということになります。
ただし、保険会社に非がないかぎり、解除権を行使します(=つまり、契約は解除されます)。
保険会社が契約を解除できないケース
告知義務違反があったら、なんでもかんでも解除されるというわけではありません。
約款では保険会社が解除できない場合を定めています。その一つが以下のものです。
(5)保険契約が、責任開始の日からその日を含めて2年をこえて有効に継続したとき。
ただし、 責任開始の日からその日を含めて2年以内に解除の原因となる事実により保険金等の支払事由(中略)が生じているとき(中略)を除きます。
日本生命 ニッセイ みらいのかたち 契約基本約款第16条(保険契約を解除できない場合)
契約してから2年継続した場合
契約してから契約が2年間継続したら、保険会社は解除できません。
なので、「もうすぐ契約してから2年経つ」という場合であれば、少しガマンして入院や手術などを受けてください。
ただ、あくまで、からだが第一ですので可能な限りです。
入院や手術などを遅らせて手遅れになっては元も子もないですから。
契約後2年以内に支払事由がある場合
契約後2年継続していても、2年以内に支払事由(入院や手術など)がある場合は解除される可能性があります。
でも2年以内に入院や手術等があったかどうかなんて、家庭訪問をするわけではないので保険会社は知りえません。
どういうときに知りえるのでしょうか?
それは、あなたが保険金を請求したときです。診断書を見て告知義務違反が疑われれば、担当者は病院に調査します。
【結論】契約を解除されないたった一つの方法
うっかり告知義務違反をしてしまった人が、契約解除されない方法は一つです。
結論|契約から2年間は入院や手術等をしない(=支払事由を生じさせない)
「え、これしかないの?」と思われますよね。そうなんです。これしかないのです。
悪いことはできないのです。悪いことをしたらそれなりの結果が返ってくるのです。因果応報というわけですね。
契約解除される場合、保険金は支払われるか?
告知義務違反が認められて契約が解除される場合、保険金の支払は次のとおりです。
告知義務違反があって契約を解除される場合、原則として保険金は支払われません
保険金が支払われる場合
告知義務違反があっても次のようなときは、保険金が支払われます。
- 今回請求する入院や手術等が、告知義務違反した病気やケガとまったく関係ない
- 契約後に発症している
例えば、病気Aを告知せず保険に加入し、契約後に発症した病気Bが原因で、2年以内に入院した場合、入院保険金は支払われて契約は解除されます。
ちなみに、保険会社によっては、契約を解除する際に、保険料相当額を支払ってくれる会社もあります。
不安な人は、加入している保険会社に確認することをおすすめします。
まとめ:うっかり告知義務違反したら「2年」はガマン
告知義務違反についてまとめました。
- 生命保険に入るときは、「正直に」健康状態を告知しましょう
- うっかり告知義務違反したときは、「2年間」ガマンしましょう
今回は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。