地震保険はほんとうに万全なの?
地震保険ってどの会社も同じなの?
こんな疑問を解決します。
本記事では、自然災害の公的保障と地震保険や共済のしくみを分かりやすく解説しています。
2019年6月中旬に山形県沖で比較的大きな地震がありましたよね。
僕が現地で査定した経験も交えて述べたいと思います。
この記事を読み終えると疑問が解決されますよ。
被災者生活再建支援法とは
保険を考えるうえでまず重要なのが公的保障です。これは建物の保険に限らず生命保険にも当てはまります。有事の際、【必要な金額>公的保障の金額】になることがほとんどです。いわゆる「自己責任の時代」です。
公的保障でまかなえない部分があるとき、困らない人は保険に入る必要はありません。困る人は保険に入りましょう。
自然災害の公的保障は「被災者生活再建支援法」により定められています。
全壊世帯は100万円、大規模半壊世帯は50万円支給されます。
さらに、再建方法によって以下のように加算されます。
- 建設・購入・・・200万円
- 補修・・・・・・100万円
- 賃貸・・・・・・ 50万円
http://www.bousai.go.jp/taisaku/seikatsusaiken/pdf/140612gaiyou.pdf
内閣府|防災情報のページ より
支援を受けられるのは最大でも300万円です。
立て直すのにこれだけで足りますか?
被災者生活再建法が発動するのは、 10世帯以上の住宅全壊被害が発生した市町村等の条件があります。
ちなみに、私が査定に入った市町村は、冒頭で触れた山形沖地震は10世帯未満だったそうなので適用されませんでした。
山形沖地震の被害で多かったのは、瓦のずれ・割れや、外壁の剥離、内壁のヒビ等です。
仮に修繕した場合、軽く100万円以上かかります。結構痛くないですか?
地震保険の支払基準【4段階しかありません】
地震保険は加入金額の半分しか支払われないことは、保険に詳しい方ならご存知かと思います。
ただ、実際の支払方法や認定方法については、ほとんどの方が知らないのではないでしょうか。
以下の説明分をご覧ください。
地震保険は、火災保険とあわせて契約することとされているほか、保険金額についても、火災保険の保険金額の30~50%の範囲内(ただし、居住用建物は5,000万円、家財は1,000万円が限度)で設定することとされています。
https://www.giroj.or.jp/ratemaking/earthquake/ 損保料率機構HPより
迅速な保険金支払いの観点から、居住用建物または家財に生じた損害が、全損、大半損、小半損、一部損のいずれかに該当する場合に、次のとおり保険金が支払われることとされています。また、建物の損害は主要構造部(壁、柱、床など)の損害により判定されます。
お気づきでしょうか?
損害の程度の区分が4つ( 全損、大半損、小半損、一部損 )しかありません。
時価の50%以上の損害があれば保険金額の100%(MAX火災保険金額の50%)もらえますが、49%の世帯は60%です。えげつない差ですよね。
山形沖地震では、比較的軽度な損害が多かったですので、おそらく1つめの階段(5%の支払)がほとんどだったと思われます。
例えば、3000万円の家に、火災保険金額3000万円(地震保険金額1500万円)の契約だった場合、5%の支払金額は、1500万円×5%=75万円です。損害割合3%の人も、損害割合19%の人も同じ金額です。結構不公平ですよね・・・。
地震保険の損害の認定箇所は狭い
損害を認定する箇所を解説します。
「 建物の損害は主要構造部(壁、柱、床など)の損害により判定されます。 」とありますが、 建物の主要構造部とは、建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第1条第3号の構造耐力上主要な部分をいいます。
例えば、木造建物(在来軸組工法)の主要構造部は、軸組(柱)、基礎、屋根、外壁等が該当します。
つまり、比較的強い部分しか査定してくれないということです。
地震によって損害を受けるのは強い部分でしょうか? まず弱い部分から損害を受けますよね。
内壁や建具、照明機器等は一切、認定の対象外です。
地震保険の査定基準→4段階・認定箇所は主要構造部のみ
地震保険と共済のちがい
地震保険は国の制度なので、どの損害保険会社も一律同じ仕組みです(特約で100%保障するものもあるようですが)。
ただ、共済は仕組みが異なります。例えば、JA共済の建物更生共済。
建物更生共済の特長をカンタンにまとめます。
まとめ
地震保険について、以下のようにまとめました。
- 地震保険の支払区分は4つだけ
- 損害を査定する箇所は、比較的強い部分だけ
- 地震保険は基本的にどの損害保険会社もおなじ
- 充実した保障を選びたい場合は、JA共済がオススメ
以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。
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